解析検査事業概要

健康診断などで用いられる生化学検査が多くあるなか、当社では最新の論文などから導き出される新たな評価指標
の発見に取り組んでいます。
「更なる健康への寄与を目指し、検査だけでなく解析も含めた専門性を持たせる」という意味を込めて、
「解析検査」と呼んでいます。
患者様へ最適ながんの治療法を確立するために、血中循環腫瘍細胞やエクソソームを対象に、遺伝子やタンパク質の
解析研究を行っています。また、間葉系幹細胞の酸化ストレスや成長因子に着目したアンチエイジングや再生医療
の研究も行っています。

遺伝子解析

長寿化により遺伝子に変異が生じる機会が増え、それに伴ってがんや生活習慣病のリスクが増大することが懸念されています。
そこで、当社では唾液や血液などの生体試料をもとに、がんの発生や転移のリスク、抗がん剤の効果を評価するリキッドバイオプシーの研究を行っています。これに加えて、単純な遺伝子解析を行うだけでなく、CTC¹などのがん細胞を培養することで、がん細胞の機能を評価する細胞実験によってより多くの解析を可能とする手法の確立を目標としています。
また、当社は腫瘍領域だけではなく、社会が求めるアンチエイジングの領域へ広げ、遺伝子検査により、患者様に適したサプリメントを予測する個別化医療の研究も行っています。さらに、MSC²の遺伝子解析なども研究しています。

1 Circulating tumor cells(血中循環腫瘍細胞)

2 Mesenchymal stem cells(間葉系幹細胞)

エクソソーム解析

エクソソームは細胞間コミュニケーションに関与し、生体の恒常性の維持に重要な役割を果たす細胞外小胞として、がん診断研究および再生医療の分野で注目されています。そこで、当社では医療機関と連携することで、実際のがん患者様から採取した生体試料からエクソソームを抽出し解析に使用しています。更に、がんの発生率を予測する研究に加えて、がんの進行の度合いや転移の可能性、抗がん剤の効き目などを予測する研究も行っています。また、近年、再生医療に興味を持つお客様が増加しているため、幹細胞培養上清中のエクソソームの数を正確に測定するための研究も行っております。このように、当社では医療機関や研究機関と提携している強みを活かし、がん診断や再生医療の分野に貢献できるように日々研究に取り組んでおります。

酸化ストレス解析

高齢化によりがんや生活習慣病などの罹患率が増加しています。これらの疾患には、活性酸素種(ROS¹)が重要な役割を示していることが、これまでの多くの研究で明らかにされています。そのため、生体試料のROSによる影響を検討することで、老化の進行を緩和できる可能性があります。そこで、当社では、細胞培養、動物実験、そして臨床試験でROSによる核酸(DNA、RNA)タンパク質、脂質の酸化解析の研究を行っています。また、当社では、ROSによる老化の進行やそれによって引き起こされる疾患の予測だけではなく、得られた結果をもとに、個々人に最適な治療を行うための判断基準となる材料を医師に提供するための研究を進めています。

1 Reactive oxygen species

グロースファクター解析

当社では、生体試料中のEGF¹、FGF²、HGF³などを中心とした様々なGF⁴の発現量解析を行っています。近年の再生医療の急激な発展により、幹細胞上清やエクソソームなどを利用した治療が様々な医療機関で取り入れられています。その一方で、エクソソームや幹細胞培養上清に含まれる成分は、採取した人や培養方法などに依存しており、同じ医療機関で治療を受けても、効果が日によって変動する可能性があります。そこで、当社では、様々なGFの発現量の解析により、MSC⁵の培養方法や上清の抽出のタイミングなどを検討することで、ロット間の大きな変動を抑えることを目的とした研究を行っています。このように当社では、医療機関が患者様に高品質で安定的な再生医療が提供できるように日々取り組んでいます。

1 Epidermai growth factor(上皮細胞成長因子)

2 Fibroblast growth factor (線維芽細胞増殖因子)

3 Hepatocyte growth factor(肝細胞増殖因子)

4 Growth factor(グロースファクター)

5 Mesenchymal stem cells(間葉系幹細胞)