動物事業概要

近年、ペット需要が高まり、動物に対する医療にも注目がされています。犬や猫などの動物医療においても、人間と同様に多様な治療法や予防、健康管理が非常に重要です。そのため、当社では人間で実績のある光線力学的療法(PDT)や、エイジングケアサプリ、免疫細胞療法の動物への応用に取り組んでいます。
また、DDSの一つである「リポソーム」の技術を活用し、薬剤が腫瘍組織に効率的に届く設計により負担の少ないがん治療や、吸収率を向上させるためのサプリメントの研究開発を進めており、これによって動物と家族の健康と幸福に貢献することを目指しています。

光線力学的療法(PDT)

医療の発展は、人間だけではなく犬や猫などのペットの長寿化にも繋がっています。一方で寿命が延びた弊害として、ペットのがん化が深刻な問題になっています。光線力学的療法(PDT¹)は、がん細胞に光感受性物質を取り込ませ、光を照射することで、正常組織には影響を与えずに腫瘍組織のみを選択的に効果を発揮する治療法です。この治療法は、重篤な副作用のない治療法として既に人の臨床現場で確立されており、動物での臨床試験でも有効性が示されています。当社では技術や経験で培った光感受性物質の高分子化や、ドラッグデリバリーシステム(DDS²)の研究開発技術を応用し、ペット専用のPDT試薬を研究開発しています。

1 Photodynamic therapy(フォトダイナミックセラピー)

2 Drug delivery system(薬物送達システム)

アンチエイジング

動物に対するアンチエイジングは、加齢による足腰の衰えや、認知機能の低下を予防し、健康寿命を長くする効果が期待されています。具体的には、抗老化物質によるサーチュイン遺伝子の活性化が老化を抑制するため、人だけはなく、犬や猫などペットの健康寿命を延長できる可能性が示唆されています。当社ではドラッグデリバリーシステム(DDS¹)研究で培ってきた技術や経験を活かし、抗老化物質のリポソーム化を中心に、効率よくペットが摂取できるようなサプリメントの研究開発を行っております。また、ペットの心理的価値、身体的価値、社会的価値を重要と考え、家族とより良い生活を長く送れるような社会を目指しています。

1 Drug delivery system(薬物送達システム)

動物iNKT研究

犬や猫などの動物も加齢により、免疫力が低下しがんになることが明らかになってきています。このような中でiNKT¹細胞は、T細胞、B細胞、NK細胞に次ぐ「第4のリンパ球」と呼ばれています。iNKT細胞は、様々な物質を介して、免疫を活性化するため、がん治療や自己免疫疾患などの免疫細胞療法において研究が進められています。当社では提携研究機関が独自に開発した物質により樹状細胞を介してiNKT細胞を活性化させる研究を行っています。通常、患畜自身のiNKT細胞を採取し体外で増殖・活性化させた後に再び患畜の体内に戻す方法が一般的です。しかしながら、当社ではリポソーム技術により該当物質を直接体内で作用させる、低侵襲な治療法の研究開発を行っています。

1 Invariant natural killer T